20周年記念ストーリー③ “イギリスの英語特訓コースで学んだ事”

イギリス学校
こんにちは、英会話と日本語教室のリンゴ・インスティテュートです。20周年記念ブログ連載3回目です。「金沢を世界へひらく市民の会」で日本語教師としてのキャリアをスタートさせ、その後も日本を愛する優しい生徒さん達に助けられながら経験を積んで行ったのですが、ある時イギリスからいらしたイギリス人弁護士のBさんを担当する事になりまして。。。容赦無い弁護士殿からの ”なんで?” ”どうして?”攻撃に、にわかOJT(on the job training )教師の私は英語できちんと文法説明が出来ず、ギブアップ。🙌
Bさんからは「もっと経験のある先生に変えてくれ💢」とのリクエストが… 😞それはそれは悔しかったけれど、文法的な説明がまともに出来ない日本語教師なんて、まっぴら御免ですよね。

この経験が、後にイギリスの大学院で”日本語応用言語学”を学ぶ事を私に決意させるキッカケとなりました。熱意を込めた志望動機エッセイと、上司からの推薦状の助けもあり、何とかロンドン大学東洋アフリカ学院の大学院から入学許可が出た時の感激は忘れられません。ただし、英語の成績が大学院レベルにはとても足りていなかったので、入学直前の夏休みに“8週間の英語の特訓コースを受ける事”が入学許可の条件でした。

この英語特訓コースで“Academic English”とやらを学ぶ機会がなければ、イギリスでの大学院の授業について行く事は不可能でしたし、ましてや修士論文を英語で書くなど夢のまた夢でした。

🌟後にリンゴ・インスティテュートで英語を学ぶ中•高•大学生の生徒さんに提供する事になる”Academic English”のエッセンスが実はこの特訓コースにあったのです!🌟

特訓コースは主にライティングを強化するものでした。欧米では小学生のうちからライティングの基礎を叩き込まれ、例えば社会科の研究発表だったり理科の実験結果の報告だったりもこのライティングの法則を応用して行われます。

ライティングの基礎と言うのは公式のように「型」が決まっています。①序論(イントロダクション)②本論(ボディ)③結論(コンクルージョン)というシンプルなサンドイッチ構造になっています。「なんだ、そんなの知ってるよ!」と言う声が聞こえてきますが、詳しく見ていきましょう。

①序論(イントロダクション)
実は私が日本でイメージしていたイントロとはかなり違いがありました。日本だと、まず書きたいテーマの背景を説明したりするところから始まると思うのですが、欧米の論文やプレゼンでのイントロはその論文やプレゼンの内容のエッセンスを全てコンパクトにまとめて述べます。しかも結論から述べます。ですから、イントロさえ読めば(聞けば)全体像が掴めます。

💡とある外資系企業の外国人のマネージャーは社内の会議では冒頭の10分、つまりイントロの部分だけ聞いてその場に留まるか退室するかを決めるのだそうです。10分後に秘書に白紙のメモを持って来させ、(イントロを聞いた結果)続けて聞く価値が無いと思えば「ごめん、急用が出来た。」と言って退室してしまうそう。日本人のプレゼンターにしてみれば、まだ序論では問題提起しかしてないのに…最後の結論部分で1番言いたい事を言うつもりなのに…と言うところでしょう。

論文でも序論(イントロダクション)はとても大切で、学生の論文のイントロ部分しか読まないと言う教授も多いとか。たかがイントロダクション?いえいえ序論が全てと言っても過言ではないのです。

②本論
いくつかのパラグラフ(段落)に分けるのは日本も同じです。論文やプレゼンの文字数、内容にもよりますが、3つくらいの段落に分けると見やすいですし、聞きやすいです。

各段落のはじめは”トピックセンテンス”が来ます。つまり、a)その段落で1番言いたい事が先に来ます。その後、b)「なぜなら」と言う理由や、具体例を挙げます。そしてa’)以上の事からa)なんです、と主張します。そう。a)->b)->a’)のサンドイッチ構造になっています。残りの段落もその繰り返しです。

③結論
言わずもがな”結論”なのですが、イントロダクション(序論)でも結論を述べているので、本論を踏まえた上での序論の”言い換え”をします。私のように英語の語彙力、表現力が乏しいノンネイティブ学生にとっては結論を書くのに大変苦労しました。今でも苦手です。

このようにきちんとしたライティングの型を一度押さえておけば、様々な論文、プレゼンに応用が効きます。はじめは慣れなくても8週間に渡るエッセイライティングの特訓おかげで大分コツを掴む事が出来ました!一生モノの財産🏆になったと実感しました。

さて、リンゴ•インスティテュートでも中学生以上の読み書きがある程度出来るようになった学生さんや、ビジネスパーソンにこのライティングの授業を提供しています。ライティングと言っても自分の意見をまとめるにあたり、教師とブレインストーミングしたり、ディスカッションしたりしながら論理的に段落組みをしていかないとなりませんので、論理的思考能力のアップも期待出来ますし、ヒアリングやスピーキングも上達するのです。一般の学習塾とは違う本番の教育アプローチを是非お試しください。”小学校卒業と同時に楽しい英会話教室も卒業”と言うのは本当に勿体ない!“中学以降こそグンと実力をつけるチャンス”💡なのです。

そして✨実は先日、嬉しいご報告を受けました!5歳から17歳まで13年に渡り当校に通い続けて下さったM.Yさんが、見事、“東京大學”🎓に合格されました🌿彼女も中学以降、アカデミック・ライティングや沢山のリーディング、スピーキングの練習を続けて来ました。英検対策もしました。「継続は力なり」🌟を証明して下さって本当に嬉しいです。13年間の学びは今後大学での研究活動や卒業後の仕事にもきっと役に立ってくれるものと信じます。

(次回に続きます。)