20周年記念ストーリー⑤ イギリスの大学院での学び

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こんにちは、英会話と日本語のリンゴ•インスティテュートです。
創立から20周年にあたり、当校を設立するまでの道のりを振り返る連載も今回で5回目です。

前回は多様性に富んだロンドン大学のキャンパスの様子をご紹介しました。今回も大学院での学びについてお話したいと思います。

[Reading List 📖 ] まず、コースが始まる入学前に渡されたものの一つが”Reading List”なるものでした。リストには、授業が始まる前までに読んでおくテキストや本の章等が連なっておりました。(え!?こんなに?という量です💦) 授業はそれらが頭に入っている前提で進められるのです。

[Reading Week] また、学期の間には”Reading Week “という名のお休みが何日か設けられており、はじめは「やった!お休みだ!友達と旅行しよう」などと無邪気に喜んでいましたが、実際は課題をこなす為の文献を読んだり、エッセイ(論文)書きの宿題をこなすので精一杯で、遊ぶどころではありませんでした😭

[Avoiding Plagiarism] “読んでは書き”の繰り返しの日々でしたが、エッセイライティングの際に耳にタコが出来るほど注意されたのが“Avoiding Plagiarism”つまり、“他人が書いたものやアイデアを盗用し、あたかも自分のもののように見せかける事は絶対にやってはいけない” という事です。 (今では他人の論文のコピペをすると検知されるシステムがありますね。) 当たり前の事ではありますが、あれだけ耳タコになる程注意されたという事は、Plagiarismが横行していたという事なのでしょう…

[論文に自分の説を唱えるなど10年早い?]

もう一つ言われて驚いたのは、”エッセイや修士論文を書く際に自分の説を盛り込むなどと考えるな”という事です。留学前は”欧米では何が何でも自分の意見を言わないと!”と構えていたので、拍子抜けしました。

実は一口に大学院といってもTaught masters courseとResearch masters courseの二つのコースがあり、私を含め多くの人はTaught masters course を選択していました。(研究テーマがしっかり決まっている人で博士課程の入口にいるような方はResearch masters courseを選んでいました。) 

Taught masters コースでは学部時代のように基本的に授業を受け、前述したように課題がどっさり出され、最終的に修士論文を書くというものでした。まだまだ“教えをインプットする”段階ですから、その分野の論文を読み、誰がどんな説を説いているかをまとめる事は出来ても、自分の説を唱えるなど10年早い!博士号を取ってからにしろ!というのは言われてみれば当たり前の事ですね。

そんなこんなで、第二言語習得論やシンタックス(統語論)等を学び、論文が書けないストレスで白髪が激増したりしながらも何とか修士号を取る事が出来ました。

修了後はロンドン大学の附属のランゲージスクールで日本語を一般の社会人やビジネスパーソンに教えたり、英国国際教育研究所という学校で日本語教師を目指す日本人学生に文法を教えました。仕事も順調だったのですが、家庭の事情で急遽帰国しなければならなくなり、後ろ髪引かれる思いで帰国したのが2000年の事です。

次回は帰国して、いよいよリンゴ・インスティテュートの誕生です。